ベドキアン社「ニュースレター:エキゾチック」

 

エキゾチックな香りを演出する「エスカピズム」

この2年間は、COVID-19によって旅行が直接的に影響を受けています。外に出て異文化に触れることができないため、各国の料理や香りを家庭に取り入れることが流行っています。

この傾向に対して、The Grocer Magazineは、"お互いの文化を理解し、尊重し、取り入れる人が急増し、異なる文化同士の距離が縮まることを実感している "とコメントしています。

オーガストマン社によると、ノルウェー料理のレシピはネット検索で120%増加しており、フィリピン料理のレシピは135%増、南アフリカの料理は150%増、そしてアラビア料理は2倍になっていると発表しました。

人々は簡単に海外へ赴くことはできませんが、自宅に居ながらさまざまな国の食材を使って異国情緒を味わうことに楽しみを感じているのです。

近年「エスケーピズムクッキング」や「ボーダレスクッキング」という言葉が流行っていますが、これは新しいインターコンチネンタルな体験を意味し、スパイシー、ハーブ、塩味、ほのかな甘みなどエキゾチックでユニークな香りの世界への扉に世界が興味を示している表れです。

マンディ・リー著の料理本「The Art of Escapism Cooking: A Survival Story, with Intensely Good Flavors」
を出版しました。この本は、ライフスタイルの物語であるだけでなく、状況に応じて新しい食べ物や食材に適応していく様子を描いています。マンディは彼女の夫の仕事の関係でニューヨークから北京へ引っ越すとすぐに彼女の台所が香り高いスパイスやどろどろとしたソース類でいっぱいになりました。コロナが同調を強いたのです。



異国情緒あふれるエスケーピズム:スパイスを効かせる

sidechef.com」によると、2022年に世界の辛味の基準はさらに増すとされており、韓国のコチュジャン、メキシコのタヒン、日本のふりかけ、インドネシアのサンバルなど、甘みを伴ったスパイシーな風味は今後さらに人気が高まると予想されます。

中でもカルダモンはエキゾチックなスパイスとして人気を集めています。生姜やターメリックに似た性質を持ち、インド、中東、北欧など世界各地の甘い料理にも塩味の料理にもよく使われ、今後5年間で年率6%以上の成長が見込まれています。

また、カルダモンが持つエキゾチックな味と香りを生かした製品も増えております。ミルクストリート社のトルコ風カルダモンスパイスコーヒーシュガーは、コーヒー代替品として販売されており様々な食品に風味を与えます。Nature's Wick社のCardamom & Tonka Candleは「トンカビーンズに温かいスパイスとフレッシュなレモンを加えたエネルギッシュな香り」を売りにしています。Lush社からは、カルダモンをはじめとするスパイスの豊かな香りが広がるというカルダモンコーヒーのフレグランスが登場しました。

CARDAMOM ALDEHYDE FCC(BRI#381)
 シトラスピールとピリッとした印象のカルダモンの強い香りが特徴です。特にオレンジ、タンジェリン、マンダリン、グレープフルーツなどの柑橘系フレーバーにとても合います。またカルダモン、コリアンダー、ジンジャー、梨、ユズ、そして一部のシーフードフレーバーにも最適な素材です。#381を使用することでまるで遠く離れた異国にいるような香りを家にいながら体験することができるでしょう。

 


異国情緒あふれるエスケーピズム:フローラルのアクセント

フローラルは何世紀も前から存在し、その起源は古代エジプト時代にまでさかのぼると言われており、その香りの人気は衰えることはありません。ジャスミンはアラビア語で「香りのよい花」という意味で、純潔、愛、美の象徴とされ、ウェディングガーランドや花嫁のブーケを飾る人気の高いエキゾチックフラワーの一つです。

世界の多くの地域でジャスミンは飲料や冷菓子、キャンディー、焼き菓子、ゼラチン、プリンなどの風味付けに使用されています。また、鶏肉や魚料理にスパイシーなアクセントを与えるため、塩味の料理にも使用されます。異国の風を運んでくるジャスミンはあらゆる食品で多くの人に愛されています。代表的なものでいえばタイ北部の渓谷で栽培されているトレーダージョーズ社のオーガニックジャスミンライスや、香り高いジャスミンと柔らかなホワイトティーの芽の組み合わせで表現されたThe Republic of Tea社のアジアンジャスミン100%ホワイトティーなどがあげられます。

METHYL JASMONATE(#399)
 ピーチ、アプリコット、グレープなどのフレーバーとともに、フローラル(ジャスミン)な香りを付与できるのが特徴です。#399は世界中の人々にエキゾチックなアウトドア感覚を提供し、香水や化粧品に最適なアロマです。

 



異国情緒あふれるエスケーピズム:スイートバニラ

バニラはバニラで通っていますが、かつてはエキゾチックでユニークなフレグランス成分であったことは忘れられています。バニラから心地よさを連想し、癒されると考える人は多く、それはバニラがあまりにも身近な存在になっているからでもあります。

バニラは高級なフレーバーやフレグランスの創作に新たな可能性を与えることができます。メキシコ産、マダガスカル産、インド産、タヒチ産のバニラはそれぞれ異なる良さが有り、人の感覚と味覚を別の時間と場所に運んでくれることでしょう。

The Express Wire社によるとバニラの世界市場は5年間で年率5.5%で成長すると予想されています。これは進化し続ける「オルタナティブ・ミルク」のフレーバーとして使用されていることも理由の一つです。例えば、植物性飲料のヘンプバニラはナッツのような風味があり、滑らかでクリーミーな味わいと表現されています。ティプシースクープ社はバニラケーキやブルボンバニラビーンアイスクリームを使った看板商品がバニラ好きにはとても人気があります。セフォラ社は香水やコロンなどに含まれるバニラの2022年トップリストを発表し、その中にはトムフォード社のタバコバニーユとVOLUPSA社のサンタル・バニーユ・ホームディフューザーなど数多くの商品が掲載されています。(いずれもバニラの香り)

VANILLIN PROPYLENE GLYCOL ACETAL(BRI#830)
 甘くスモーキーでフェノール性のバニラな香りが特徴です。スモーキーなバニラの香りはトーストしたマシュマロやチョコレートファッジなどとも相性がとても良いです。甘いバニラの香りが楽しめる香料でバニリンを補うために使用されます。#830は、エキゾチックでありながら非常に親しみやすく、バニラの香りと味を最大限高めることができます。

旅行が再び盛んになるまで遠い異国の地でも、身近な場所でも、香りや味で生活を豊かにするトレンドはこれからも続くでしょう。

ベドキアンはあなたのフレグランスとフレーバーの処方を思い出に残すお手伝いをします。カタログをご覧になりたい方、その他製品についてのお問い合わせはこちらからどうぞ。



ベドキアンニュース

ご存知のように、2022年はベドキアンの創業50周年にあたります。この重要な節目に際し、私たちはさまざまなことを計画しています。そのひとつがロゴのリニューアルです。

前回のニュースレターでベドキアン製品をキーとして使った最初の香水の名前をメールした方へプレゼンとキャンペーンを行うという告知をしました。答えはレブロン社の「チャーリー」。チャーリーは1973年に女性用のフローラル・アルデハイドのフレグランスとして発売されました。トップノートはアルデヒド、ヒヤシンス、ガルバナム、ジャスミン、ガーデニア。ミドルノートはスズラン、ゼラニウム、ジャスミン、コリアンダー、ホワイトリリー、ヴァイオレット。そしてベースノートはオークモス、サンダルウッド、ベチバー、ムスク、バニラでした。

チャーリーは安価ながらとても上品な香りが人気を博し、のちにチャーリー・ブルーやチャーリー・ホワイトと商品展開を広げました。アメリカでの広告は女優のシェリー・ハックを起用し、キャッチーでジャジーなジングルを使用した広告を打っていました。オリジナルのチャーリーは現在も一部地域で販売されています。



今おススメのベドキアン商品!

GUAVANATE(BRI#493)
ピンクグァバの特徴であるエキゾチックでムレ臭のあるトロピカルな香りとマンゴーのクリーミーなアコードが特徴で、フレーバーやフレグランスの処方に最適です。特にマンゴー、グアバ、ドリアンの甘い部分、リュウガン、グレープフルーツ、メロン、アップル、バナナ、パイナップルなどトロピカルなフレーバーにとても良く合います。また、ココナッツや甘い乳製品のようなクリーミーな香りにも対応できます。甘くエキゾチックな香りの中に少しウッディなニュアンスがあり、#493クリーミーなドライダウンが特徴です。フルーティーフローラルとトロピカルアコード、特にトロピカルブリーズ、フルーティーアコード、ソルティーノートに複雑さと深みを与えます。

 

TERRASOL FCC(BRI#818)
 ビーツ、マッシュルーム、ジャガイモといった根菜類やウーロン茶の香りがする特徴的な味わいをもっています。高濃度では根菜類の風味を引き立てるのに優れ、低濃度ではライム等のシトラスに自然な風味を加えることができます。#818にルートビールやマッシュルーム、ペッパー、土っぽい香りを加えるのも面白いかもしれません。香りの面では、#818は非常に力強い土の香りとアンバーグリス、パチョリのトップノートを持ち、オリエンタルなコンポジションと非常によく調和します。



フレーバー&フレグランス豆知識!

オリスは世界で最も希少な香りと言われています。古代ギリシャや古代ローマでは、エッセンシャルオイルとして瓶詰めされていました。現在では世界中の製品に使われていますが、金よりも高価な場合もあるのです。(BedoukianBRI#330 Orrisolを金よりも安価に販売できますよ!)