ベドキアン社「ニュースレター:心と体、魂を満たす」

ウェルネスな暮らしの追求

グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)の「グローバル・ウェルネス経済モニター2024」によると、ウェルネス経済は2024年に約6.8兆ドルに達し、2028年には9兆ドルに達する見込みです。この業界は、世界のGDPの6.8%を占めると予測されています。McKinsey & Company社の調査によると、アメリカの消費者の82%が日常生活においてウェルネスを重要な優先事項と考えていることがわかりました。これは中国(87%)やイギリス(73%)の消費者の意識とも同様です。また、Circana社のデータによればアメリカ人の77%が、ストレス・睡眠・気分・モチベーションといったメンタルヘルスを重視していると報告されています。

フレーバーやフレグランスはウェルネスに貢献しています。消費者は良い味や香りがするだけでなく、多機能な効果を持つ製品を求めています。こうしたニーズに応えるため、食品・飲料・ビューティー分野ではさまざまなフレーバーの方向性や香りのプロファイルを備えた多様な選択肢が提供されています。Bedoukian社の多用途なアロマおよびフレーバー分子は食品や飲料の風味を高めるだけでなく、健康・ウェルネス分野、ホームケア、パーソナルケア製品の品質向上にも寄与します。


健康的な食生活

メディアInnova Market Insightsによると、アメリカの消費者は健康とウェルネスの最優先事項として「健康的で栄養価の高い食事」を挙げています。消費者の考える健康的な食事には「より多くの全粒植物性食品を摂ること」、「サプリメントや自然療法に頼ること」、「免疫力や腸の健康に良い食品や飲料を摂ること」、「健康的な脂肪を多く摂ること」などが含まれます。また、Mintel社の『食品・飲料の栄養表示に関する調査報告』によると、調査対象者の約5人に1人(19%)が2022年の16%から増加し、現在「常に健康的な食事をしている」と回答しています。一方で、「時々健康的な食事をしている」と答えた人は2022年の数値より7%減少しています。

メディアInstacartのデータによると腸の健康は消費者にとって重要なテーマとなっています。プレバイオティクスおよびプロバイオティクス飲料の購入が前年同期比で58%の成長を牽引しました。Coca-Cola社はプレバイオティクス炭酸飲料市場に参入し、「Simply Pop」という商品を5つのフレーバー(シトラスパンチ、フルーツパンチ、ライム、パイナップルマンゴー、ストロベリー)で発売しました。

Cargill社の2025年版「プロテインプロファイル」によると、2024年にはアメリカの消費者の61%が、2019年の48%に比べてタンパク質の摂取量を大幅に増やしていることが分かりました。例えば、プレミアプロテインは1本あたり30グラムのタンパク質を含む新しいプロテインシェイクのライン「Indulgence」を発売しました。フレーバーは「Chocolate Covered Strawberry」、「 Decadent Dark Chocolate」,、「Salted Caramel Truffle」、「White Chocolate Raspberry」の4種類です。

スナッキング(間食)は私たちの文化に深く根付いており、消費者は自分の食事やウェルネス目標に合ったスナックを求めています。Circana社のデータによると約64.1%の人が「自分にとって良い」と感じられるスナックを積極的に探しており、これは2020年から7.4%の大幅な増加となっています。Innova社の調査でも同様の傾向が見られ、世界の消費者の81%が気分を高めるためにスナックを食べる一方で、75%は健康効果のあるスナックを求めていると報告されています。その好例がオーストラリアのMood Food社で気分、リラクゼーション、休息、エネルギー、認知機能の健やかさといった目的別に機能性スナックを開発しています。

「ソーバーキュリアス(お酒を飲める人が、あえてお酒を飲まない、あるいは少量しか飲まないという考え方)」なライフスタイルは消費者のアルコールとの関係性の変化を示しており、特に若い世代でその傾向が顕著で、彼らはより健康的な代替品を選ぶようになっています。Escoffier社のデータによるとノンアルコール飲料の消費のうちミレニアル世代が45%、Z世代が17%を占め、両者を合わせると全体の約3分の2を構成しています。Aplos社は機能性ノンアルコールスピリッツを製造しており、「Ease」という最新商品は「リラックスする瞬間」のために開発されました。さらに同ブランドは「Chili Margarita」、「 Kola Fashioned」、「Mandora Negroni」、「Ume Spritz」といったフレーバーのノンアルコール飲料も展開しています。


フレーバーが消費者の健康意識に与える影響

「健康的な食事」の定義は消費者によって異なります。例えば、Mintel社のデータによると消費者は健康的な食事を「主に新鮮な食品を食べること」(過半数)や「健康的な選択と嗜好とのバランスを取ること」(約半数)と定義しています。ただし、いかなる「健康的な」食品・飲料を選ぶにしても、消費者は味を妥協したくないと考えています。

国際食品情報評議会(IFIC)の2024年年次調査によると消費者の85%が「味」を食品や飲料の購買決定にとって最も影響があると回答しています。また、「The Future of Flavours」レポートによるとヨーロッパの一部の国々の消費者の60%以上が、食品や飲料において味が最も重要な要素として広く認識されていることに同意しています。

Innova社の「Global Flavor Trends 2025」では「Healthy Enjoyment」と「Sensory Therapy」が注目すべき2つのフレーバートレンドとして挙げられています。「Healthy Enjoyment」は「健康とおいしさの両立」の重要性を強調しています。食品や飲料の味、食感、そして健康面を向上させることで、より楽しく、満足感があり、かつ体に良い選択肢となるよう、メーカーは商品づくりに取り組んでいます。

「Sensory Therapy」はフレーバー体験を含めた消費者の心の健康や感情的なウェルネスをサポートするものであり、これは「Euphoric Wellness(幸福感のあるウェルネス)」へとつながります。Innova社の調査によるとフレーバーの最も重要な特徴は「気分を高めることができる」点にあるとされています。フレーバートレンドからはメーカーが消費者の感情的ニーズに応えるようなフレーバーを提供していることがわかります。フレーバーは、「楽しく明るい」、「元気が出る」、「健康的」、「リラックスして落ち着ける」など、さまざまな感情に寄り添う形で設計されています。

親しみやすさや安心感があるフレーバーは消費者の食品・飲料の選択に最も大きな影響を与えます。中でも、コーヒーフレーバーやブラウン系フレーバー(チョコレート、キャラメルなど)が人気であり、クリーミーさやなめらかな食感の製品との組み合わせが特に好まれています。さらに、Innova社の調査によると、ベリー類、夏の果物、ナッツ類、トロピカルフルーツは健康やウェルネスと結びつけられる傾向があることが分かっています。

「Health Halo Botanicals」はKerry社の「Africa 2025 Taste Charts」で特定された4つの主要トレンドの1つです。これは「Healthy Indulgence(健康的なご褒美)」という傾向や「花由来の成分ル(ハーブやフローラル)が健康に良い」という認識の高まりを背景に、ローズ、マルラ、バオバブ、モリンガといった地域特有の植物素材が製品に使用されるケースが増えています。これらはそれぞれの「健康に良い」というイメージや特徴的なフレーバーを商品にもたらしています。

温かみと安心感のある香りからさわやかでフルーティーな香りまで、Bedoukian社の高インパクトなフレーバー成分は健康的でおいしいと感じられるフレーバーを求める消費者のニーズにしっかりと応えることが可能です。

BRI#841 3-METHYL-2,4-NONANEDIONE

 #841は、フレーバーおよびフレグランスの配合に使える多用途なものです。フレーバー面としては緑茶や紅茶を思わせる甘く干し草のようなニュアンスを付与します。ドライグリーンノートはパセリ、ニラ、ホウレンソウなどによく合います。さらに、アンチョビや海藻などのシーフードフレーバーを引き立てる役割も果たします。さらにはカラメル、ミルク、その他の乳製品フレーバーの甘くクリーミーな香りを強化することもできます。フレグランス面ではアニスのようなスパイシーでハーブ感のあるグリーンノートやラクトン系のニュアンスをもたらします。

 


香りと気分

過去コラム「気分に合わせた香り」で述べられているように、消費者は香りに対して個人的なつながりを持っており、香りは彼らの感情や気分を変える力があります。例えば、Circana社の調査では香りの利用者の80%が「香りは気分を高めたり、明るくしたりするのに役立つ」と回答しており、香りの気分向上効果を引き続き評価していることがわかりました。同様に、Mintel社のデータによると英国の消費者の78%が「香りは精神的な健康を改善できる」と考えています。

Mintel社は「ブランドが消費者の香りと気分の結びつきに着目する中で、香水のトレンドが進化している」と指摘しています。例えば、Dwell212社はウォルマートでデビューしたブランドでウェルネスにインスパイアされた香りのラインで、香りが気分に与える影響に重点を置いています。主にシトラス、キュウリ、ラベンダー、花びらの香りが揃っています。

このトレンドはパーソナルケアやホームケアにも広がっています。昨年、Soft & Dri社は気分に合わせたり、気分を高めたりする気分に合わせた香りコレクションとして「Blissful Freesia」、「Sparkling Citrus」、「Zen Cucumber」の3つのバリエーションで発売しました。また、Daise社も同様のコレクションを発表しております:Happy Daise(グレープ&アンバー)、「Hello Daise(ラズベリー&ミント)」、「Lowkey Daise(ローズ&サンダルウッド)」、「Oh So Daise(洋梨&パチョリ)」、「Peachy Daise(ベリー&マンダリン)」、「Sunny Daise(バニラ&ココナッツ)」。

Mintel社によるとリラクゼーション用としてラベンダー、エネルギー向上用としてシトラスなど気分を高める香りを配合した掃除用品が一般的になりつつあります。Clorox社はEmotiv社と提携し、掃除の清潔感が他の気分が良くなる活動と比べてどのように感じられるかを調査しました。オンライン調査によるとアメリカ人の5人に1人(21%)が気分を良くするために常に掃除をしていると回答しました。また、回答者の88%が表面を拭いた後に気分が良くなると感じていることがわかりました。驚くことに、参加者の37%は、子犬をなでるよりもトイレ掃除をしているときのほうが気分が良いと感じたそうです。

ファインフレグランス、パーソナルケア、ホームケア、または家庭用製品のいずれの配合であっても、Bedoukian社の高いインパクトを持つアロマ分子があなたの香りのフォーミュラを格上げします。

BRI#317 e,z-2,6-NONADIEN-1-AL DIETHYL ACETAL

 #317#841と同様、フレーバーにもフレグランスにも配合に使える多用途なものです。フレグランス面としては滑らかなスミレとメロンの香りが特徴で、ガルバナムやオークモスのブレンドとよく合います。フレーバー面としては、強いキュウリとメロンのノートを持っているためメロン、キュウリ、ストロベリーとの相性がとても良いです。

 


未来へ

Circana社はパーソナルウェルビーイング(個人の健康と幸福)の複雑さを報告しており、消費者は運動、ソーシャルメディア、食事、ペット、美容、本など、多様な方法で身体的・精神的・社会的な調和を求めています。フレーバーとフレグランスは私たちの日常の消費者製品やサービスの体験に深く関わっています。消費者が体・心・精神をサポートする食品、飲料、美容製品を求める中で、気分を高める香りや風味の重要性はますます高まるでしょう。


FUN FACT

バナナには神経伝達物質であるセロトニンが含まれており、これは気分や睡眠の調節に大きく作用されます。また栄養豊富であることも、この果物が健康的とされる理由の一つです。さらに驚くべきことに、人間はバナナと約60%の遺伝子を共有していると言われています。バナナと人間はDNAの複製や細胞周期の制御など、細胞機能に関わる遺伝子を共通して持っています。