ベドキアン社「ニュースレター:南国の楽園」

エキゾチックなものを探求する

消費者の世界各国の料理や食文化への関心の高まりが、エキゾチックな風味や香りの需要拡大を促進しています。
メディアInsightTrendsWorldによると、「Exotic Flavor Escapism(エキゾチックな風味による現実逃避)」とは、官能的な楽しみと精神的なリトリートの両方を提供する、トロピカル風味の食品や飲料への消費者主導の動きを指します。同様に、マーケターのジェニーン・グエリエロ氏は「グローバル・インフルエンス」をフレグランスのトレンドとして挙げています。グエリエロ氏は次のように述べています。「グローバル・インフルエンスは、嗅覚による旅、儀式の発見、異文化間の祝祭の季節として夏に進化します。消費者が世界の伝統、儀式、祭典からより多くのインスピレーションを得るようになるにつれ、一般的なストーリーから地域に根ざしたフレッシュさへの大きなシフトが見られます。」
色、風味、味、食感が多様なエキゾチックフルーツは、私たちの味覚を刺激し、感覚を楽しませてくれます。トロピカルフルーツの幅広い魅力は、その世界的な成長によって示されており、Business Research Company社によると、2029年までに61億8,000万ドルに達し、年平均成長率(CAGR)5.8%で拡大すると予測されています。
おなじみのトロピカルフルーツから、珍しく馴染みのないエキゾチックフルーツまで、ベドアン社の高インパクトで多用途なフレーバー製品はフレーバリストや調香師のパレットを広げ、世界中の消費者を魅了します。
フレーバーの探求

消費者は、世界各国の料理や食材を通じて新しいフレーバーの探求をしており、以前別のコラムでもとりあげています。メディアInnova Market Insightsは、2025年の世界的なフレーバートレンド第3位として「想像力豊かな味の冒険(Imaginative Taste Adventures)」を挙げています。これは「フレーバーの探求やユニークな味の組み合わせを体験したいという消費者の追求」と説明されています。鮮やかでエキゾチックなフルーツやその独特の風味は、このトレンドにぴったりと合致しKoch Associates社は「トロピカル・ストーム」を、2025年以降の食品・飲料メニューに影響を与える年間5つのトレンド予測のひとつとして挙げています。同社John Koch氏は「パイナップル、ドラゴンフルーツ、グアバ、ココナッツカレー、カリブ海スパイスのような鮮やかなフレーバーが、日常の料理をユニークな食の体験へと変えててくれる。」と述べています。
SIGEP World社によると世界各国の料理、特にアジアからの食材が、主流の製品に取り入れられつつあるとされており、シェフのPaul Rockwel 氏は、ゆずやライチ、ランブータンといったエキゾチックなフルーツフレーバーがノンアルコール飲料やデザートに広がっており、エキゾチックフルーツがメニュー全体へと拡大していく道を切り開いていると述べています。これを裏付けるように、2025年にはMonin社が「ゆず」をフレーバー・オブ・ザ・イヤーに選び、「Yuzu Purée」を発売しました。さらに6月にはSpindrift社が「Yuzu Mandarin」フレーバーをオンライン限定で発売し、Momofuku Noodle Bar社とコラボして、この飲料にインスパイアされた2種類の限定メニューを提供しました。Datassential社の調査によれば、ゆずは過去4年間で米国メニュー上の出現率が約30%増加しており、2028年までに他の食品・飲料・食材の96%を上回る成長が見込まれています。同様に、FMCG Gurus社のデータでは、米国のフルーツ消費者の57%が、ゆず、みかん、グアバ、スターフルーツといったエキゾチックかつトロピカルなフルーツフレーバーに関心を示していることが明らかになっています。
南米産のパッションフルーツ(マラクジャとも呼ばれる)も注目を集めつつあります。例えば、Tarte Cosmetics社の「Maracuja」ラインにインスパイアされて、Dunkin’社はグアバ、オレンジ、パッションフルーツを使った新しいリフレッシャー「Pink Spritz」と、Dunkin’社をテーマにした3種類のリップグロスセットを共同開発しました。また、機能性飲料ブランドCelsius社は「Sparkling Strawberry Passionfruit」を今年初めに発売。American Licorice社は「Vines」ブランドの下で「Passionfruit Orange Guava Filled Ropes」を発表しました。Mintel社の調査によれば米国のデザート・キャンディ消費者の70%、アルコール消費者の65%が、パッションフルーツをフレーバーや原料に使用した製品に関心を持っているという結果が出ています。リップケア分野では、Eos社が「Flavor Lab Secret Menu Lip Balm」コレクションを複数商品で展開。中でも「Tropical Chiller Lip Balm Variety Pack」には、パイナップルやパッションフルーツ、スパークリングライム、マンゴーメロネード、ピーチゆずといったバラエティが含まれています。
ジューシーで爽やかな風味から、酸味のきいたシャープな味わいまで、ベドキアン社の高品質なフレーバー製品は、消費者に鮮やかなトロピカル体験を提供します。
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BRI #282はフレーバーにもフレグランスにも配合に使える多用途なものです。フレグランス面では力強くジューシーなシトラスアロマをもち、アルデヒド調や明るいフローラルに適しています。また、フレーバー面ではさまざまな柑橘系の風味を融合させます。グレープフルーツジュースやオレンジエッセンスオイルを思わせるフレッシュでジューシーなシトラスの特性を持ち、オレンジ、タンジェリン、グレープフルーツ、ポメロ、ゆずなど、あらゆる柑橘フレーバーにおいて搾りたてのニュアンスを強化します。 |
香りはよりみずみずしく

フルーツを前面に出したフレグランスがトレンドになっています。フルーティーな香りは大きく進化し、もはや甘ったるくベタつくものではありません。現代的で複雑さを備え、よりジューシーになったフルーティーフレグランスは、フレッシュなものから官能的なものまで幅広く展開しています。調香師カリーン・サーテン・ボイン氏は次のように述べています。「フルーツフレグランスは進化を続けていて、より美味しそうな香りになってきています。ただのフルーツキャンディのような香りではなく、より実物に近い、口にしたくなるような香りです。香水はフルーツを浸したウォーターのようなアイデアを取り入れ、より軽やかで、きらめきがあり、空気のように透明感のあるフルーティーフレグランスを生み出しています。」
ココナッツ、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、グアバといったトロピカルでエキゾチックなフルーツが、ファインフレグランスや香り製品に登場しています。Fragrance Shop社の2025年嗅覚トレンドによると、「明るくエキゾチックなフルーツは現代的な形で再解釈され続け、チェリーやストーンフルーツはより洗練され、グリーンバナナを含むトロピカルフルーツはアンバーやレザーノートに遊び心を加えるでしょう。」その例として、香水「Le Monde Gourmand Nectar de Passion」は、ジューシーで酸味のあるパッションフルーツ、ワイルドストロベリー、フレンチバニラ、サンダルウッドクリーム、ムスクの香りを特徴としています。パーソナルケアでは、Victoria’s Secret社の新しいボディケアコレクションに「Coconut Milk Rose」と「White Peach Mango」という2種類の香りが登場しました。さらに夏に向けて、Yankee Candle社は「Twilight Nectar」を発表。これは、ドラゴンフルーツ、ストロベリー、ピンクアップル、クランベリーに、トロピカルフラワーとココナッツを組み合わせた爽やかでフルーティーな香りで、「エキゾチックなバカンス気分を漂わせる」フレグランスです。
グアバは現在、フレグランスやフレーバーにおいて注目のエキゾチックフルーツとなっています。たとえば、Ellis Brooklyn社の「Guava Granita」はグアバ、バナナ、ウォーターリリー、ベルガモット、ココナッツ、メロン、マンゴーブロッサム、バニラ、アーモンドミルク、サンダルウッドの香調を持つユニセックスの香水です。Spate社によると、「guava(グアバ)」に関連するフレグランス検索は前年比で1,000%増加し、スキンケア検索も76%上昇しました。さらに、同社の「2025年 食品・飲料トレンドレポート」では、グアバのスナックフレーバーとしての人気が前年比766.2%上昇したと報告されています。フレーバー分野では、Smirnoff社がグアバとジンジャーの香りを特徴とする限定版「Electric Guava」ウォッカを発売しました。V8 Energy社も紅茶と緑茶をブレンドした限定フレーバー「Passionfruit Orange Guava」を新たに追加しました。
フレッシュでナチュラルなものから、複雑でセンシュアルなものまで、ベドキアン社のインパクトのある香料原料はフルーツを前面に打ち出した香りへの消費者のニーズに必ず応えることでしょう。
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BRI#493は#282と同じくフレグランスおよびフレーバー配合において多用途に使用できる原料です。フレグランス面ではトロピカルで熟したジューシーさ、スイートさ、グリーン感、フルーティーさを併せ持つ香りが特長です。クリスプでクリーン、フルーティーな印象を与え、特にグアバやマンゴーにおいてフルーティーフローラルやトロピカルなニュアンスに深みを加えます。フレーバー面ではピンクグアバやマンゴーにユニークで、エキゾチックで、クリーミーなトロピカルノートを際立たせます。グアバ、マンゴー、ドリアンの甘い部分、龍眼、グレープフルーツ、メロン、リンゴ、バナナ、パイナップルといったトロピカルフレーバーに最適です。さらにココナッツのクリーミーノートやスイートな乳製品フレーバーも引き立てることができます。 |
エキゾチックな味と香りを体験してみませんか?

世界のさまざまな食材は、料理の多様性を生み出し、風味や香りの革新を促し続けています。なかでも、エキゾチックフルーツはそのすべてを満たす存在です。鮮やかな味と香り、幅広い用途、そして目を引く魅力を持つエキゾチックフルーツは消費者に新しい発見や挑戦、そしてダイナミックな食体験を提供します。
ベドキアン社のフレグランスとフレーバー製品は多様でパワフルです。家庭にいながらエキゾチックな香りやフレーバーの冒険で、消費者の食欲を刺激しましょう。
FUN FACT
お菓子として好まれるものは、世界中で大きく異なります。
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アジア、アフリカ、南米では、タマリンド味のキャンディーが人気です。
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ヨーロッパや中東では、花のフレーバーが使われたお菓子が主流です。
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韓国にはおこげのデザートがあります。
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メキシコではチャモイが定番です。
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フィンランドにはサルミアッキ(塩味のリコリス)があります。
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西アフリカでは、ピーナッツバーまたはグラウンドナッツケーキとして知られるクリクリが楽しまれています。
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オーストラリアでは、花やムスクの香りがする「ムスク・スティック」がよく食べられています。
しかし、最も風変わりなお菓子は、日本の「おやついか」ではないでしょうか。言わずもがな乾燥させたイカを砂糖醤油ベースのタレで味付けした日本では当たり前のお菓子です。世界的に見るとユニークなお菓子とされているようですね。