ベドキアン社「ニュースレター:フードと香りの融合時代(The Edible Era)」

「リカブル」香水とフレーバー

今、もっとも新しいトレンドとして浮上しているのが「エディブル・パフューム(食べられる香水)」です。「リカブル(舐められる)」香水とも呼ばれ、香りだけでなく「味」としても楽しむように作られています。肌に直接つけるだけでなく、食べ物や飲み物に吹きかけて使用します。

データ分析会社Spate社の調査によると現在はまだ一般的な認知度は低く、広く普及しているとは言えませんが、急速な成長を遂げている分野とされています。

「エディブル・パフュームの人気は、前年比で936.5%も増加している」(Spate調べ)

例えばフレーバー業界では、Amoretti社が皿盛りのデザートや洋菓子のパッケージ内側、飲料向け等、100種類以上の「Edible Perfume®」スプレーを展開しています。日本では小林製薬の「噛むブレスケア」などが代表的です。


お茶ブームの到来(Spilling The Tea)

抗酸化作用で知られる「お茶」には、健康的でクリーンなイメージ(健康ハロー効果)があります。緑茶から紅茶まで、その淹れ方や味わいは多種多様です。なかでも鮮やかな緑色と健康効果を併せ持つ「抹茶(Matcha)」は、今やフレーバーとフレグランスの双方で大ブームとなっています。

Spate社の報告によると「抹茶はラテだけでなく香水としてもますます主流になっており、香調としての抹茶の採用数は、前年比で173%以上も増加している」とのことです。

例えば、Donna Karan社はコーヒーカルチャーからインスパイアされた限定フレグランス「DKNY Latte Be Delicious」として、「マッチャ」「ピスタチオ」「バニラ」の3種類を発売しました。


 3-METHYL-2,4-NONANEDIONE (BRI# 841)
FEMA: 4057 CAS: 113486-29-1

BRI#841はフレーバーとフレグランスの両方の処方に使用できる、汎用性の高い原料です。

  • フレーバー
    緑茶や紅茶を思わせる、甘く干し草のようなキャラクターをもたらします。また、乾燥させたパセリ、チャイブ、海苔、ほうれん草など、ドライなグリーン感を出したい時にも効果的です。低濃度で使用すると、キャラメルやミルクといった乳製品フレーバーの甘くクリーミーなコクを引き立てます。

  • フレグランス
    アニス(洋茴香)様、スパイシー、ハーバルグリーン、そしてラクトニック(乳酸調)な香りを与えます。

Bedoukian社は最近、香料展示会「SIMPPAR」や「World Perfumery Congress」で実施した「Soothing Green Tea(心やすらぐグリーンティー)」のデモンストレーションでこの原料を大々的にアピールしました。BRI#841を加えることで深みのあるお茶の香りにユニークでドライな「茶葉や干し草」のニュアンスをプラスすることができます。

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スナックのような甘い香り(Smell Like A Snack)

甘い系から塩気のあるセイボリー系まで、グルマン調の香りが爆発的な人気を集めています。「お菓子のような良い香りをさせたい(Smell like a snack)」というSNS上のムーブメントが香り付き製品に対する消費者の関心を呼び起こしています。パフューマーのGustavo Romero氏は以下のように述べています。

「もはや単に『甘い』だけがゴールではありません。近年のエディブルな香調は、焼き色をつけたような香ばしさや、熟成されたようなニュアンスが求められており、甘さを引き締めるために苦味やドライさを加えることで、単なる安らぎを超えた、立体的な構成の香りを創り出しています」

弾けるようなフルーツ感から、包み込むようなトースト感(香ばしさ)までBedoukian社のインパクトのあるフレーバー&フレグランス原料は高いパフォーマンス、処方の自由度、そして安定した品質を提供します。


 NUEZATE™ (BRI# 728) Ethyl 3-methyl-2-oxopentanoate
FEMA: 4903 CAS: 26516-27-8

BRI#728はフレーバーとフレグランスの両方に配合可能な原料です。

  • フレーバー
    さまざまなナッツ類(ツリーナッツ)特有のアース(土)感を引き出し、甘いフレーバーやロースト系の処方によく調和します。ウッディなニュアンスを持つため、メープルやクルミなどのブラウン系・ナッツ系フレーバーを強化します。

  • フレグランス
    新鮮で特徴的なブラックウォルナットの香りに、ウッディなアンダートーンとほのかなフルーティさが加わり、香りに複雑さと深みをもたらします。ナッツ調を強調したり、スパイス調を補強してグルマン系の香りを際立たせるのに最適です。さらにフゼア、シプレー、アンバータイプの香りのバランスを整える効果もあります。

クセになるエディブルなニュアンスで、処方の完成度を引き上げる原料としてぜひご検討ください。

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チェリー香料の進化(CHERRY ON TOP)

フレグランスにおけるチェリーの表現の幅は、現在狭まっています。チェリーや杏仁系の香りの主原料であるベンズアルデヒドは、2009年以降IFRAの規制対象となっており、度重なる改定(第51次改定まで)を経て、最大使用基準値が厳しく制限されてきました。また、これまで併用されてきた補助原料も同様の制限に直面しています。

その点BRI#512 CEREZOATEはナチュラルなアメリカンチェリーのニュアンスを持つ、フルーティでジューシーな香調の原料です。アルデヒドではなく「エステル」に分類されるため、IFRA第51次改定基準を完全にクリアしています。


Bedoukian社ニュース
研究開発・イノベーション部門のディレクターに
Dr. Krzysztof Swierczekを任命

Bedoukian社は研究開発・イノベーション(R&I)部門の新しいディレクターとして、Dr. Krzysztof Swierczekを迎えたことを発表いたしました。Dr. Krzysztof Swierczekは2012年に化学分野の博士号取得者として同社のR&I部門に入社し、2022年には技術生産マネージャーに就任しました。現場での製造プラント経験に裏打ちされた独自の視点を活かし、プロセスの効率化、チーム間のコラボレーション促進、そして新規分子の商業的実現可能性(製品化)の確保をリードしてきました。

現場のオペレーターからのフィードバックを重視し、実用的な問題解決と迅速かつ柔軟な意思決定を行うのが同氏のアプローチです。今後に向けて、Dr. Krzysztof Swierczekは「顧客主導のイノベーション」「サステナブル・ケミストリー(グリーンケミストリー)」「AIツールの活用」に注力し、市場に大きなインパクトを与えるフレグランス・フレーバー特殊原料の提供という、当社のコミットメントをさらに強化していきます。