新しいアロマ『ハイドロフルール』が誕生

ベドキアン・リサーチ社とP2サイエンス社の
独創的なコラボレーションにより、
新しいアロマ『ハイドロフルール™』が誕生しました



ベドキアン・リサーチ社は、2014年に始まったP2サイエンス社との共同開発から生まれた初のフレグランス成分「ハイドロフルール(Hydrofleur™)」をご紹介できることを大変嬉しく思います。
同社はサステイナブルな化学製品で、また当社は高品質な原料の製造で皆さまに広く認知いただいております。今回新しく開発したハイドロフルールは100%再生可能な成分であり、私たちの共同開発で初めて持続可能な製品としてポートフォリオに追加されました。

 

 2018年6月5日、フランス・ニースで開催された「World Perfumery Congress(WPC)」にて、「The Past, Present, and Future of Signature Perfume Ingredients」と題したパフューマーセッションで、ロバート・ベドキアン博士/CEOによる講演が行われました。彼は、プロクター・アンド・ギャンブル社のマスターパフューマーであるゼルリナ・デュボア氏とともに、この会議の主催者でもあります。講演では、両名により斬新でインパクトのある成分と消費者文化がどのように影響し合いフレグランス業界の主なトレンドや製品を生み出してきたかについてお話いたしました。

ハイドロフルールは、非常に強力なアロマケミカルの例として、シャネルのN°5タイプのコンポジションに取り上げられ、実演も行われました。従来の成分と比べて1%以下の低濃度で配合されても優れた香りの効果が得られます。また、ハイドロフルールは「女性に好まれる香り」のカテゴリーに限らず、幅広い世代への香りに使用することができます。

 


 

ミュゲ(スズラン)との関係でハイドロフルール™の特徴を知る

 ミュゲはスズランとも呼ばれるホワイトフローラルの香りに、ジャスミンのような甘い香りが加わっています。ベドキアンのハイドロフルール™はミュゲ系製品の中では最も新しく多次元的な特性を持っています。

 ハイドロフルールはミュゲやチュベローズなどの白い花の香りに、ラズベリーやメロンなどのフルーティーな香りが加わった、力強く、さわやかで、みずみずしい香りです。また、その強さと拡散性から、優れたフローラライザーとして微量でも香りのフローラルノートを高めることができます。フローラルな香りに加えて、ハイドロフルールはフルーティーな香りにも非常によく合い新鮮さ、輝き、深みを与えてくれます。


ハイドロフルールは、『グリーンケミストリーの12原則』に則った世界初の製造技術により、持続可能な原料由来で作られています。その結果「クリーンビューティー」と「クリーンフレグランス」の基準を満たす100%再生可能で芳醇なアロマケミカルが誕生しました。天然物であるFSC認証を受けた松の木を原料とし、紙・パルプ産業の副産物からリサイクルされたものです。

さらに持続可能へのコミットメントとして、パートナーであるP2 Science社は、ハイドロフルールを含む森林由来の製品の販売1キログラムにつき1本の植樹支援を行っております。

 


 

消費者商品とミュゲ(スズラン)
~ファインフレグランス&パーソナルケア~

フレグランスは、消費者の豊かな健康や美容習慣に大きな影響を与えています。好きな香りは気分を高揚させたり、楽しい記憶を思い出したりと、嗅覚の刺激によって様々な感情を運んでくれます。あらゆるカテゴリーの市場製品の中で、ミュゲを主成分として取り入れた事例は次のようにあります。

 ファインフレグランス&パーソナルケアの分野では、ハイドロフルールはフェミニン、マスキュリン、ユニセックスとあらゆるフレグランスに使用することができ、調香師たちに幅広いキュレーションの選択を与えています。

最近発売されたミュゲのファインフレグランスはゲランがユニセックス用に開発した『ミュゲ・ミレジム2020・ゲラン・フォーウィメン&メン』です。グリーンのトップノートにミュゲとライラックのミッドトーンがブレンドされ、ベースはローズとジャスミンで構成されています。同年発売された『ピュール・ムゲ・カルティエ・フォーウィメン』は、「この歴史的な花をこれまでにないリアリズムで極限まで追求した現代的なビジョンであり、真のスズラン」と評されています。

パーソナルケアでは、イヴ・ロシェの『リリー・オブ・ザ・バレー・シャワージェル』が「春のスズランのフレッシュさを軽やかな泡で表現し、肌に素敵な香りを残す」とアピールしています。『ヤードリー・ロンドンズ・リリー・オブ・ザ・バレー・ラグジュアリー・ボディウォッシュ』は、スズランとフリージアの爽やかでフェミニンな香りがブレンドされています。また同じ香りが楽しめるローション、クリーム、ハンドウォッシュ、タルク、ソープも同時に発売されています。

 


 

消費者商品とミュゲ(スズラン)
~ホームケア&ファブリックケアとトレンドの考察~

 コロナウィルス感染症拡大により、ホーム&エアケア製品の見方が大きく変わりました。中でも掃除は従来のようなルーティン的なものではなく、細菌やウィルスの除菌対策を加味した本格的なものが主流となりました。パンデミック当初は除菌に適した商品の売り切れが相次ぎ、多くの消費者は入手できる限られたものを使わざるを得ませんでした。しかし商流の回復により、商品を選ぶ選択肢が戻ったことにより安全の確保が容易になりました。同時に居心地の良い空間を作るために香りを楽しむ方も増えました。

NPD Groupの第2四半期レポートによると、人気の芳香剤としてキャンドルがファインフレグランスを抜いたとの調査結果が発表されました。フレグランス類は前年同期比で37%減収となった一方、キャンドルは13%の増収となりました。これは多くの方が家で過ごす時間が長くなった影響だと当社は考えます。キャンドルの明かりは穏やかな癒しの時間を与えてくれることでしょう。

エアケアでは、ディプティックの『ミュゲ/リリー・オブ・ザ・バレー・キャンドル』が、「摘みたてのスズラン... 茎や葉の緑の香りに彩られた白い花弁が繊細な香りを放っている」と紹介されています。また、花や植物、野菜などをユニークにアレンジし、新しいビジョンを提示することで世界的に有名なフローリストのクリスチャン・トルチュ氏『Muguet des Bois(スズランの森)』キャンドルを発表しました。「スズランとほのかなバニラを配合した、繊細でグルメな香り 」と評されています。ディメーターの『リリー・オブ・ザ・バレー・アトモスフィア・ディフューザーオイル』は、古いイギリスの民話に登場する聖レオナルドの森の伝説に由来しています。『ラ・ブガテリー・ミュゲ・フレンチ・ホームスプレー』は「女性的な美しさと暖かさの極み」と評され、家での居心地の良い空間づくりに活用されています。同じ香りが楽しめるファインファブリック用の洗濯洗剤も発売されています。

ファブリックケアでは更に、「スズランとジャスミンにスイートムスク、サンダルウッド、シトラスをブレンドした究極の香り」と評される『ザ・ロードレス・クラシック・セント・ディタージェント&ファブリックコンディショナー』が発売されています。イヴ・デロームの『サマー・ヴァーベナ・タオルウォッシュ』は、ジャスミンとミュゲの香りが漂う美しいオレンジの花を表現しています。フレッシュグリーン、ゼラニウム、ラベンダーやアンバー、ムスクのバランスが絶妙で、真夏日のような魅力的な香りです。

 グリーンでサステイナブルなライフスタイルが注目されている今、ミュゲは現在人気を馳せているコテージコアにぴったりです。コテージコアとは、外にいながらまるでインドアのように素朴でロマンチックでありつつ、どこかノスタルジーを感じられる暮らし方としてSNSを中心に話題になっているトレンドです。田舎風景やファームハウスをイメージすることが多く、それに合わせてフレグランス、食べ物、ファッション、ホームデコレーションなどあらゆるものに影響を与えています。