ベドキアン社「ニュースレター:価値の探求」
厳選された商品ラインアップ
物価の高騰は消費者に買い物の仕方を見直させるいい機会となりました。あらゆる客層が品質と価値を見極め買い物を行っています。ブランドも消費者の注目を集め、商品をより簡単に手に入れられるようにしようと競争する中で、プライベートブランドや人気ブランドの複製(Dupe)が盛んに行われています。当業界、フレーバーやフレグランス業界も高品質の製品と価値の提供が常に求められています。
ベドキアンはインパクトのある原料を使ったフレグランスとフレーバーを専門としており、そのうちのいくつかはサステイナブルです。同社の製品により企業は処方を最適化し、より少ないコストでより多くの製品開発チャンスを獲得しより優れた結果;消費者に高品質な商品の提供を実現することができます。
プライベートブランドの増加
相次ぐ物価の値上げに消費者は食品、飲料、美容製品などの日用品に経済的ピンチを感じています。米食品小売業団体の食品マーケティング協会(FMI)は、米国で2,000人以上の主要食料品消費者を対象に調査を行い、91%が価格上昇を懸念し、それに応じて買い物習慣を変えていることを明らかにしました。「消費者は品質により重点を置き、個人的な楽しみ、利便性、家庭での廃棄物削減のために購入を最適化することで、お得感を得ることを優先するようになってきています」とFMIの社長兼最高経営責任者であるレスリー・G・サラシン氏は述べています。
消費者はプライベートブランドの消費者向けパッケージ商品を好んで購入しています。プライベートブランド製造業者協会(PLMA)によるとストアブランドの売上高は2023年に101億ドル増加し、過去最高の2363億ドルに達したと発表しています。PLMAのペギー・デイビーズ会長によると、「全米で販売されている食品・非食品食料品の5つに1つは、小売業者の名前か自社ブランドを掲げている」と述べています。プライベートブランド分野において一般食品は10%増、飲料は8.9%増、美容は10.5%増、ホームケアは8.7%増と、いくつかのカテゴリーでストアブランドの売上高が伸びました。
Circana社のデータによると、プライベートブランド美容の総売上高は2023年に39億ドルに達し、昨対比10.4%増加しました。また、2024年第1四半期のプライベートブランド美容・パーソナルケア製品の売上高は7.9%増加しました。また、女性用フレグランスの売上は29%増加し、合計5,000万ドルとなりました。PLMAのコーポレート・ヴァイス・プレジデントであるアンソニー・アロイア氏は、「この売上高は小売業者が高品質で革新的な製品を手に取りやすい価格帯で提供することで美容、化粧品、パーソナルケアのストアブランドに力を入れていることを証明しています」と述べています。
成長し続けるプライベートブランド
同業他社との差別化を意識し、消費者の関心を引くために、プライベートブランドは商品をアップグレードしてきました。プライベートブランドは現在、商品、風味、品質などにおいて競争力があり、Flashfood社による米国消費者調査によると、米国人の約半数(48%)は有名ブランドよりもプライベートブランドの製品を購入することを好んでいるという結果がでています。
大手スーパーマーケットのWalmart社やCVS社は新しいストアブランドを立ち上げることを発表しています。Walmart社は料理体験、植物性、そして 「Made Without」3つのカテゴリーを柱に、50のカテゴリーにまたがる300のアイテムを展開する新しいプライベートブランド「bettergoods」を発表しました。また、CVS社はスナック、飲料、食料品など40品目を揃えた新ブランド「Well Market」を発表しました。
ペットを飼う世帯のためのブランドとしてKroger社はプライベートブランドのペットフード・インを拡大し、パッケージデザインを一新し、プレミアムペットフードを低価格で提供する「Abound」という新しいブランドを立ち上げました。
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手が届く贅沢を求めて
経済状況の良し悪しはフレグランス、パーソナルケア、ホームフレグランスを含む香り製品を求める消費者の歯止めになっていなく、小売業者はコスト意識の高い顧客にアピールするために、よりプレミアムな商品開発を行っています。
人気ブランドの複製、デュープ(Dupe)は今や主流であり、受け入れられている傾向にあります。Circana社のマーシャル・コーエン氏は「デュープはもはやタブーでは無くなってきており、高級ブランドのそっくりさんを低価格で見つけた、あるいは入手困難なアイテムを手間なく見つけたといえることが、今やクールなのです。」と語ります。
「多くの消費者が倹約を余儀なくされ、より手頃な価格の製品を求めるようになるにつれ、多くの人にとってデュープ文化は目新しさから必需品へと移行しつつあります。」とと、WGSNのビューティー・ディレクター、クレア・ヴァルガ氏は述べております。2023年6月に「dupe」という用語のグーグル検索は前年同月比で40%増加しました。さらに、イギリスのブランドであるDupeshop社は手頃な価格の美容品販売店で美容グッズの品質、性能、成分について高級品とデュープ品の比較テストを行っており、全世界での売上が200%急増したと報告しています。NIQ社のビューティ・バーティカル担当バイス・プレジデントであるアンナ・メイヨー氏によれば、デュープは売上をシフトさせるのではなく、カテゴリー全体を成長させると述べています。NIQ社のオムニショッパー・パネルは、「デューパー」ブランド(代替品として利用される手頃な価格のブランド)と「デュープド」ブランド(模倣者を惹きつける傾向のある高価格のブランド)の両方が金額と購買者数を伸ばしていることを明らかにしました。
フレグランスのデュープ品の人気
ソーシャルメディア、特にTikTokのおかげで、「Loud Budgeting」することが#MoneyTokの最新トレンドとなっています。「Loud Budgeting(声高に主張する予算管理)」とは、TikTokのトレンドで周りに自分のお財布事情を隠さずオープンに話そう、という動きです。 自分の予算を相手に正直に伝えることで、予算内に収まる別の予定に変えてもらうことにも繋がります。そして何よりも、オープンに話すことで予想外の出費を抑えることができ、経済的な不安から逃れられることは大きなメリットとなるでしょう。フレグランスで言えば、「高級デザイナーの香りと同じ香りを安価で購入した!」という投稿です。
フレグランスの デュープ品はあらゆる流通チャネルに出現しています。例えば、ZARA社の「レッド・テンプテーション」は、Maison Francis Kurkdjian社のフレグランス「バカラ・ルージュ(Baccarat Rouge)」にインスパイアされています。Fine'ry(ファイン・フレグランスとパフューマリーの合成語)は、Maesa社によって作られたTarget限定ブランドでこのブランドはデュープ品を取り扱わないがが、多くの消費者は元のフレグランスと比較し、「安価な代用品」として認識することが多いです。Sol de Janeiro社はフルーティーな「Brazilian Bum Bum Cream and Hair & Body Fragrance Mists」で知られる注目のブランドで彼らのフレグランスはSNSで大流行しています。
男性用ボディスプレーで知られるAxe社はブラックバニラとTom Ford社のタバコ・バニラのブラインドテストを4人の著名なバスケットボール選手を起用したキャンペーンを実施し、大多数(3対1)がアックス社を支持する結果となりました。パーソナルケアではSaltair社のSantal Bloomがボディソープ、シャンプー、コンディショナーでLe Labo 社のSantal 33と比較されています。
ホームフレグランスでもデュープ品はよくみられます。例えば、ドイツを拠点とするディスカウント食料品店Aldi社はTom Ford社やJo Malone社といったブランドのホームフレグランスやキャンドルを販売しています。Slatkin+Co.社は Dollar General社と提携し、低価格帯のアロマキャンドルやリードディフューザーの限定シリーズ「Club 92」を発表しました。ブランドとパッケージに加えて、ハリー・スラットキン氏は「価格設定が(消費者)をリピーターにする」と予想しています。
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FUN FACT
「Budget(予算)」という言葉が初めて財政的な意味で使われたのは1733年のことで、財政問題を担当する英国政府高官を攻撃する小冊子『The Budget Opened』で風刺的に使われました。風刺がルーツであるにもかかわらず、人々はすぐに支出計画を表す「予算」という言葉を採用し、1880年代には「予算を組む」という動詞としても使われるようになるほどその知名度をあげました。1960年代初頭、「Budget」は「inexpensive(安価)」と同義語になりました。これは低価格を意味することもあれば、粗悪品といった否定的な意味合いを持つことでもありました。来年度の部門予算を検討する際、経理チームが「Budget」という言葉の成り立ちに精通しているかどうかを確認してみてください。